こんにちは!へいちゃん(@kohei55net)です!
シリーズ第3弾の記事です。
初回は、セゾン資産形成の達人ファンド#1/投資初心者にもオススメの投資信託か?で、ファンド自体のパフォーマンスについて触れました。
続く第2弾は、セゾン資産形成の達人ファンド#2/いつ始めてもよい長期投資向きのファンド?で、いつから積立し始めてもよいファンドか?について触れました。
そして、今回第3弾では、セゾン資産形成の達人ファンドというファンドが、現在どんなファンドが組み入れられているから、パフォーマンス面でも良い数字を出しているのか、を見ていきます。
その前に前回のおさらいから
このセゾン資産形成の達人ファンドの運用目的は、次の通りでした。
●世界におけるグッドカンパニーの株式に割安に投資することにより、市場平均を上回るリターンを獲得を目指すファンドを見つけてそのファンドに投資する
●為替ヘッジは原則として行わない
良く運用できているファンドを見つけることが、このファンドの「腕」です。ただ、あくまで市場平均を上回るファンドをセゾンが見つけてきて、そこに投資すると言っています。
そして、結果的に運用開始して12年間のトータルで見ると、参考指数(MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス)を27.7%上回っていました。
単に、12年間のトータルで参考指数を上回っているだけではなく、その内容が素晴らしいことは、セゾン資産形成の達人ファンド#2/いつ始めてもよい長期投資向きのファンド?に書きましたので、良かったらご覧に下さい。
今回は、その内容の良さも魅力のこのファンド。
セゾン資産形成の達人ファンドに組み入れている中身のファンドについて見ていきます。
ファンド・オブ・ファンズ
中身を見ていく前に、セゾン資産形成の達人ファンドというファンドは、現在9本のファンドが組み入れられています。そういう運用の仕方は、ファンド・オブ・ファンズと呼ばれています。
複数の投資信託に投資する、投資信託で構成されたファンドの形式のこと。
複数の投資信託に投資することで、幅広い分散投資によるリスクの低減のほかに、運用会社も分散されて、リスクを抑える効果があるとされます。
難しいことが書かれてありますけど、簡単に言うと、ファンド・オブ・ファンズってどれだけ「良い仲間」を見つけて、同じ方向を向いて進めるか、ってことかなと思っています。
実際に9本のファンドは、バンガード(米国)、コムジェスト(フランス)、スパークス(日本)、アライアンス・バーンスタイン(米国)、ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(米米国)の5社が運用しています。
つまり、ファンド・オブ・ファンズという形式である以上、セゾン投信の生命線の1つは、仲間作りだと思うんです。
なので、どんなファンドを「仲間」にするかで、セゾン投信がどんなチームになるかが決まります。
なので、セゾン資産形成の達人ファンドに、どんな仲間がいるのかって視点と、どれくらいの数字面での寄与があるか、の2つを知ってもらえる記事にしてみました。
9本のファンドの成績は?
バンガードとブラウン・ブラザーズ・ハリマン
9本のファンドは、それぞれセゾン資産形成の達人ファンドに組み入れられた日が異なりますが、以下は組入来のパフォーマンスです。(3つの画像に分けています)
【1つ目の画像】
・バンガード・米国オポチュニティファンド(2007/8/15組入開始)
・AB・米国集中投資株式ファンド(2015/3/23組入開始)
青い部分が示している通り、プラスに寄与しています。(組入来)
リスクの部分は、例えば、バンガードのファンドは、参考指数よりもリスクが1.6%高いけど、結果として4.2%の成果(アウトパフォーム)だったよ、ということです。
特に、このバンガードのファンドは新規の受付をしておらず、10年以上前からセゾン投信のような既存顧客しか、新たな買付をすることができません。
やっぱり当時から良いファンドを見つけてきているんだなーということがわかります。それに、セゾン投信には、もう1つセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドというファンドがあります。
こちらにもバンガードのファンドが入っています。セゾンは、バンガード(米国の運用会社)とともにこの12年間一緒に歩みを進めてきたパートナーなんですよね。
・BBHコア・セレクト・ファンド(2017/3/14組入開始)
今のところマイナスに寄与しています。リスクは参考指数よりも低いけど、パフォーマンスも低いよね、ということ。組入してからまだ数年ですからこれから巻き返しを期待したいところ。
また、Jリーグでコツコツ投資でもお世話になっている(@renny_29)さんが、ご自身のブログでBBHの運用報告や情報開示に対する姿勢を評価されてました。
今は数字面で結果は出ていないかも知れませんが、運用会社の情報を積極的に発信していく姿勢は、お客さんを大事にしていることの表れなので、頑張って欲しいです。
コムジェスト
【2つ目の画像】

・コムジェスト・ヨーロッパファンド(2008/3/12組入開始)
・コムジェスト・エマージングマーケッツファンド(2008/3/31組入開始)
コムジェストの2本のファンドは、まあどちらも優秀です!リスクも低いのに、やることはやる!結果を出しているファンドです。しかも、どちらも2008年から組入の長期ファンド。
しかも、セゾンがコムジェストに支払う手数料も今後安くするという。成果も出している上に、お金も安くしますというありえない対応。
2017年に、セゾン投信がパートナー運用会社を紹介するというセミナーに参加したことがあります。
それがフランスの運用会社である、コムジェストでした。素晴らしい会社でした。
コムジェストの運用方針が、とにかく投資家のための長期投資の姿勢を大事にしていること。長期で成長を見込める企業には、10年、20年も長期で持ち続けているそうです。
さらに、ベンチマーク(参考指数)を意識した運用ではなく、絶対的に企業の長期にわたる成長を見極める運用方針への徹底ぶりがあります。
なので、コムジェストのファンドは、お客様から手数料を頂く以上は、企業を選び抜いて投資するからこその価値がある、という投資哲学があります。
具体的にこんな話をされてました。
コムジェストが日本のホシザキ電機という業務用冷蔵庫などを作っているメーカーに投資をするかどうかの判断をする時に、コムジェストはどうしたか。
日本チームと、ヨーロッパチームで議論をしたそうです。なぜか、当時業務用冷蔵庫のNo1は、ドイツのラショナルという会社で、営業利益率が20%以上もある高い会社だった。
日本の企業に投資するだけでも、世界の優良企業との比較の中で、ホシザキ電機にどれくらいの成長率があるかを徹底的に議論をしたそうです。
コムジェストは、本当に組織力の強い運用会社だな、と思います。
コムジェスト・ヨーロッパファンドは、30ちょっとの企業が厳選されています。こういう投資哲学と徹底ぶりが私は大好きです。
・スパークス・ワンアジア厳選ファンド(2015/3/24組入開始)
今のところマイナスの寄与です。スパークスという運用会社は日本の会社で、日本株の運用は抜群に上手いのですが、アジアは今のところそれほどでもないかもしれません。
スパークス
【3つ目の画像】

・スパークス・集中投資・日本株ファンド(2010/3/19組入開始)
・スパークス・長期厳選・日本株ファンド(2011/9/13組入開始)
・コムジェスト日本株式ファンド(2016/3/14組入開始)
日本株ファンドは、すべてプラスに寄与。スパークスの日本株ファンドの優秀さが際立ちます。スパークスの2本は、いずれも9年ほど組み入れられています。
特に、スパークス・長期厳選・日本株ファンドは、先ほど上記で説明した通り、全体が下がる中で、唯一3本だけはプラス起因だったファンドの1つです。
スパークスは、日本の独立系運用会社です。私はこの会社も大好きです。
なぜか、徹底的に長期投資にこだわります。
なぜ、長期投資が良いかというと、企業に対しても顧客に対しても、「長期」で携わるのは、しっかりした責任を持っているからこそ、携われるという本質を大切にしているからです。
スパークスの投資哲学である、「マクロはミクロの集積である」という言葉が好きです。動画のリンクを貼ったので良かったら見てください。
まとめ
「数字面」と「セゾン投信の仲間」の2つをメインに記事にしてみました。
まず数字面で見ると、7本は結果的に、12年間のトータルパフォーマンスで参考指数に対して、「27.7%」を生む要因になっていることがわかりました。
エグゼクティブアドバイザーの房前さんが運用報告会で仰ってたように、9本のうち現在マイナス寄与の2本(BBHコア・セレクト・ファンド、スパークス・ワンアジア厳選投資ファンド)は様子見したほうが良いファンドということですね。
どんなファンドにも苦手、欠点、課題はありますが、これから時間をかけて見ていきたいと思いますね。
次に、「セゾン投信の仲間」はどうしたか。
すべては紹介できませんでしたが、セゾン投信の「仲間」にはセゾンのファンドを一緒に支えていく素晴らしい仲間がいることがご理解頂けたのではないか、と思います。
やはり、セゾン資産形成の達人ファンドは、「いかに良いファンドを見つけてそこに投資できるか」ですので、現状12期までをみると、総合的にしっかりとしたファンドが入っているファンドと見て良いのではないでしょうか。
これはまたどこか別の記事で書こうと思ってますが、セゾン投信のファンドの良さもさることながら、前提として、投信会社としての投資哲学という根本がしっかりしているからこそだと感じています。
セゾン資産形成の達人ファンドを掘り下げていくシリーズはもう少し続けていく予定です。

