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football

Jリーグと移籍金。0円移籍の「抜かれる時代」から「売る時代」へ

こんにちは!へいちゃん(@kohei55net)です!

近年、Jリーグでそれなりの移籍金で、海外のクラブに移籍する若手の選手が増えています。

例えば、最近ではガンバ大阪からオランダのフローニンゲンにレンタル移籍していた堂安律。完全移籍で約2.6億円の移籍金をフローニンゲンが払うことで成立したとも言われています。

世界に比べるとまだまだ大きい金額ではないながらも、しっかりとクラブに移籍金を残す形で移籍しています。

以前は代表クラスの選手を「0円」で引き抜かれてしまう由々しき事態が続いていた時期もありますが、最近では、選手自らが「クラブに移籍金を残したい」と口にするようになってきました。

今回は、Jリーグのクラブと移籍金の仕組みや関係性、問題点などを詳しく解説してみた記事になります。

そもそも「移籍金」とは何か?

まず、簡単に「移籍金」とは何か?というところから始めてみたいと思います。

移籍金は、違約金のこと

世界のサッカーで「移籍金100億円で移籍!」といったニュースをを目にしたことがありませんか。

スペイン・バルセロナという世界的に有名なクラブに、フェリペ・コウチーニョというブラジル人の選手がいます。

この選手は、イングランドのリバプールからバルセロナに移籍してきた選手ですが、移籍金はなんと約160億円と言われています。

1人の移籍に対して、この選手を獲得したバルセロナが、リバプールに対して支払った金額です。

日本のJリーグのクラブで、年間の営業収益が100億円すら到達できていない中で、いかに高額の「移籍金」が支払われているかがよく分かります。

この移籍金なんですが、正式には「移籍金補償金(違約金)」と言います。

つまりは、違約金のことなんです。

移籍先のクラブが、所属しているクラブに対して支払う違約金のことです。

このコウチーニョという選手は、実は2022年までリバプールとの契約が残っていたと報道されています。

つまり、バルセロナがネイマールの抜けた後釜に、「コウチーニョ」を欲しい、と考えた時に、当然ながらリバプールに対して違約金、つまり移籍金を支払う必要がありました。

この金額が、約160億円と言われているということです。

基本的に、契約期間が満了する前に、他のチームに移籍する場合には、違約金を支払いましょう、という仕組みになっています。

移籍金が発生しないケース

では、どういうケースでは移籍金が発生しないのでしょうか?

FIFA(国際サッカー連盟)の規定には、以下の2つのケースでは、移籍金が発生せずに、自由に移籍してよいと認められています。

❏所属クラブとの契約が満了したとき
❏6ヶ月以内に契約が満了予定のとき

この2つのケースでは、選手は自由に他のクラブと契約を結ぶことができる、ということです。

国際基準から遅れをとっていたJリーグ

上の2つのケースでは、他のクラブと自由に選手を結ぶことができると書きました。

ですが、実際には、Jリーグでは、2009年まで選手は自由に契約の交渉をするということができませんでした。

簡単には移籍ができなかったJリーグ

日本プロのサッカー選手会(通称、JPFA)という、選手の地位向上や環境改善、サッカー文化の推進や普及を目的に1996年に設立された団体があります。(※以下、日本プロサッカー選手会をJPFAと表記。)

このJPFAは、2007年以降、FIFAルールがJリーグにも適用されるようにJFA(日本サッカー協会)とJリーグに対して、働きかけを行ってきました。

日本では、独自に「移籍金制度」というものがあり、契約満了になっても所属元のクラブに移籍金を支払わないと移籍ができないというルールがあったからです。

移籍金の金額が大きい選手は、年俸の約10倍程度の移籍金がないと、その選手を獲得できなかったんですね。

30歳未満の選手の国内移籍については、年齢と所属クラブのカテゴリに応じて移籍係数というものがあり、そこに平均基本補修を掛けあわせた計算式で、移籍金が発生していました。

また、「30ヶ月ルール」といって契約が満了した選手が、国内移籍する場合にも同様に、この「移籍係数×平均基本報酬」の計算式で算出される移籍金が発生していました。

移籍係数は、1,5から最大で10まであり、16歳から22歳未満の選手がJ1へ移籍する場合は、最大の10となる。

この場合は、移籍係数10×平均基本報酬となるため、仮に年収が3000万円とすると、

なんと3億円の移籍金が発生する、という計算になる。

しかも、契約満了してから30ヶ月以内にも発生していたんです。

結果的に、他のクラブがその選手を獲得するにあたり、所属クラブとの契約は満了しているのに、移籍ができないという状況が発生していたので、JPFAはFIFAルールの適用と、Jリーグ独自の移籍金制度の撤廃を求めてきた、というわけです。

この移籍金制度は、国内移籍におけるルールなので、つまりローカルルールというものになります。

プロサッカー選手とて、同じ職業人ですから、当然ながら「選択の自由」の権利はあるべきなんですが、それがこのローカルルールによって阻害されていた側面があった。

一方で、このローカルルールは、Jリーグの各クラブ間の格差が広がることを防止したり、クラブが選手と複数年契約を結ばなくてもよい、というクラブの経営面や運営面では、良い面もあるルールだったとも言われています。

物事には常に、良い面と悪い面、割り切れない面があります。

ただ、どうしても世界的な流れがある以上は、それに逆らうことができなかった、ということです。

FIFAルールと世界の流れに飲み込まれるJリーグ

国内独自のローカルルールを撤廃し、2010年から完全にFIFAルールを適用するようになってから、Jリーグは大きな変化を迎えるようになりました。

代表クラスの選手が0円で移籍するという事態

今では、日本代表の主力のほとんどが海外のクラブでプレーするということが当たり前になりました。

本田圭佑、長友佑都、長谷部誠、岡崎慎司、宇佐美貴史、吉田麻也・・・

しかし、過去には、Jリーグのクラブで、1円の移籍金も手にすることができず、なくなく0円移籍を容認せざるを得なかった時期がありました。

その先駆けとなったのが、2005年の鹿島アントラーズの中田浩二の移籍ケースだと言われています。

中田浩二は、フランスのマルセイユというクラブに0円で移籍した過去があります。

2004年1月末で契約満了となる鹿島に、2002年日韓ワールドカップで日本の監督だったトルシエさんが監督をしていた関係もあって、マルセイユからオファーがありました。

当時はケガから復調したばかりの中田には、海外からオファーなんて来るとは思っていなかった。

鹿島はそう見てたんですが、そこにいきなりマルセイユからオファーがきた。

交渉をしている間に、契約期間が満了してしまい、結果的に0円での移籍を認めざるを得なかった、という経緯があったようですね。

代表クラスの選手の0円移籍のダメージ

これはクラブにとっては、本当に致命的なダメージがあります。

大きなものとしては、2つあると思います。

2つのダメージ

経営的なダメージ
代表クラスの選手は、クラブでも人気選手のため、観客動員数への影響や人気の低下を招きかねない。クラブの価値の低下から、収益の縮小に繋がるリスクが発生します。

戦力的なダメージ
代表クラスの選手が抜けるということは、戦力の低下を招きます。当然ながら、その穴を埋めるために他の選手を獲得する必要がありますが、残念ながら移籍金0円では、補強の選手を獲得できる資金が確保できません

せっかく育ててきた選手の中で、しかも代表クラスの選手が0円で海外のクラブに引き抜かれては、クラブには本当に何も残らない。

選手の夢を叶えてあげる一方で、クラブとしては深刻な状況を招くことになります。

クラブの経営は、夢だけでは成り立ちません。

FIFAルール適用後のJリーグで0円移籍が相次ぐ

2010年には、セレッソ大阪にいた香川真司が、ドイツのドルトムントに0円で移籍

その後、2010年~11年にかけて、家長昭博(ガンバ大阪⇒マジョルカ)、細貝萌(浦和レッズ⇒レバークーゼン)、槙野智章(サンフレッチェ広島⇒ケルン)、安田理大(ガンバ大阪⇒フィテッセ)、阿部勇樹(浦和レッズ⇒レスター・シティ)、岡崎慎司(清水エスパルス⇒シュツットガルト)など、多くの選手が0円移籍で海を渡りました。

このように、特にこの時期は0円で移籍するというケースが多くあり、Jリーグにとっては危機的な状況がありました。

0円移籍の背景にあるもの

0円移籍の背景には、選手とクラブが結ぶ契約条項の問題があった、と言われています。

簡単に言うと、「選手にとって海外移籍がしやすい内容になっている」というものです。

つまり、海外で将来的にプレーをしたいと希望する選手は、クラブと契約を結ぶ際に、海外クラブへ移籍しやすいような条項を盛り込んでいる、と言われています。

例えば、以下のようなものが契約事項に含まれているということです。

  • 国内移籍よりも海外移籍の方が移籍金が低く設定されている
  • 海外から正式なオファーがあれば、契約期間中でも優先できる
  • 海外クラブの練習に参加する

実際に、香川真司は2010年の南アフリカW杯の後に、ドルトムントに移籍していますが、その年の2010年1月に契約の更新をしたばかりでした。

契約期間中にも関わらず、なぜ0円移籍が可能だったのでしょうか?

それは、契約の中で海外のクラブからオファーがあれば、0円で移籍するという内容を契約に盛り込んでいたため、だと言われています。

このように、多くの選手にとって夢や憧れである「海外でプレーすること」を目の前にした時に、Jのクラブが有能な選手を留めておくには、「海外に移籍しやすい環境を与える」ことを代償とするしか方法がない、という背景も見え隠れします。

しかし、FIFAルールに翻弄されたJリーグのクラブでしたが、少しずつ変化の兆しが見えてきました。

変わってきたJクラブと海外移籍

泣く泣く0円でチームの顔ともいえる選手を引き抜かれてきたJのクラブですが、少しずつFIFAルールにも対応し、海外移籍とともにチームに移籍金を残すことができるようになってきました。

中田浩二の0円移籍から学んだ鹿島アントラーズ

鹿島アントラーズには、20年も強化部でクラブを支える鈴木満さんという方がいます。

2005年の中田浩二の0円移籍という経験を通じ、今後Jリーグへ押し寄せる世界基準の流れをいち早くキャッチしました。

2005年以降の契約については、極力複数年契約を結ぶようになった、と言われております。

実際に、2010年の夏に内田篤人がシャルケに移籍しているが、他のクラブでは0円移籍が目立つ中で、おおよそ1億5千万円の移籍金を鹿島は手にしています。

その金額が妥当かはさておき、少なくとも0円で抜かれてしまうような事態は回避しています。

ピッチ外の戦いでも、鹿島アントラーズの伝統的な「抜け目のなさ」は、異色を放っていると言えるのではないでしょうか?

チェゼーナから2億円の移籍金を手にしたFC東京

レンタル移籍という形で移籍

2010年の南アフリカW杯の後、FC東京の長友佑都は、イタリアの北東部に位置するチェゼーナという小さな街のクラブに移籍をしました。

完全移籍という形ではなく、「期限付き移籍」という形でした。

いわゆる、レンタル移籍のことですね。

Jリーグ初のイタリア人監督だったマッシモ・フィッカデンティ監督は、2010-2011年シーズン、セリエAに昇格たばかりのチームに就任。そのシーズンは、見事にセリエA残留を果たしています。

さて、そんなチェゼーナですが、長友はこのシーズン、開幕からスタメンを飾りました。

そのまま17試合連続でフル出場を続け、わずか半年足らずで、2011年1月にセリエAの強豪のインテルに電撃移籍しました。

これは当時かなりのインパクトでした!

この時、チェゼーナからインテルへは「レンタル移籍」という形なんですが、元々FC東京からチェゼーナへもレンタル移籍していたので、二重のレンタルはFIFAでは認められていません。

そのために、チェゼーナが長友を完全に買い取りました

チェゼーナは、インテルに長友をレンタル移籍するためには、FC東京から完全移籍で獲得する必要があった、ということです。

その後に、チェゼーナからインテルにレンタルで移籍させた、というわけです。

結果的に、チェゼーナは、FC東京に移籍金として2億円を支払いました。

買い取りオプション付きのレンタル移籍

はじめから完全移籍という形ではなく、選手が活躍した際に買い取ることが可能な「買い取りオプション」を使った形での移籍となりました。

活躍が未知数の選手を、完全移籍で獲得するのはリスクがある場合に、クラブにとっては、この「買い取りオプション付きのレンタル移籍」という形が、良い結果を生んだ1つの良いサンプルですね!

この記事の冒頭で書いた、フローニンゲンの堂安律もレンタル移籍は、この買い取りオプション付きのレンタル移籍でした。

堂安律が、予想以上の活躍を見せたことから、フローニンゲンが買い取りの権利を行使した、というものです。

また、少し前になりますが、完全移籍という形であっても、FC東京の武藤がマインツに4億円、サンフレッチェ広島の浅野がアーセナルに5億円と、クラブにお金を残す形で移籍する形が増えていることは、良い傾向と言えるでしょう。

2度目のドイツ移籍となった宇佐美もアウクスブルクの両クラブが移籍金を非公開にしていますが、おそらく億単位の移籍金が動いている可能性がありますね。

(現在は、アウクスブルクからデュッセルドルフへレンタル移籍中。)

連帯貢献金とトレーニングコンペンセーション(TC)制度

ここでは近年注目されるようになった移籍に伴う、クラブの臨時収入を見ていきたい。

移籍金が発生した場合の収入と、移籍金が発生しない場合の収入の2通りがある。

連帯貢献金とは何か?

あまり聞いたことのない言葉かもしれません。

連帯貢献金とは、移籍金が発生する移籍の場合、選手が12歳~23歳の誕生日までに所属していたクラブに対して、移籍金の5%が分配される、というものです。

これは、FIFAのルールなので、国内移籍ではなくて、海外のクラブに移籍した場合の話になりますね。

🔴12歳~15歳まで所属した場合・・・移籍金の0.25%×所属年数

🔴16歳~23歳まで所属した場合・・・移籍金の0.5%×所属年数

12歳から23歳まで所属していたクラブが、アマチュアかプロかは関係ないんですね。

岡崎慎司の連帯貢献金のケース

岡崎慎司が、2015年にドイツのマインツからイングランドのレスター・シティに移籍しました。

その時の移籍金が、だいたい13億円くらいと言われています。

これを上の式に当てはめると・・・。

まず移籍金の5%が、連帯貢献金になるので、5億円×5%=6500万円

6500万円が、連帯貢献金になります。

つまり、6500万円を12歳から23歳まで所属したクラブに分配することになりますね。

12歳~15歳まで(小学6年-中学3年)の4年間

宝塚FC

1年あたり0.25%×4年 = 325万×4年 = 1300万円

16歳~18歳まで(高校1年-高校3年)の3年間

滝川第二

1年あたり0.5%×3年 = 650万×3年 = 1950万円

19歳~23歳までのプロ生活5年

清水エスパルス

1年あたり0.5%×5年 = 650万×5年 = 3250万円

こうした形で、海外のクラブへ移籍する場合、その選手を育ててきたクラブへ移籍金の一部が還元されることは、より良い育成を行う意味でとても重要な要素になっていると言えますね。

トレーニングコンペンセーション(TC)制度とは?

トレーニングコンペンセーションという言葉は、聞いたことありますか?

これもあまり馴染みのない言葉かもしれませんね。

トレーニングという言葉は、練習とかトレーニングという意味で、ここでは「育成」っていう意味合いが強いですね。

では、コンペンセーションはどうでしょうか?

これは、「償い」とか「代償」「穴埋め」という意味ですね。

FIFAでは、23歳以下の選手が移籍する場合、12歳~21歳までプレーしたクラブや所属チームに対して、「今まで育ててくれてありがとう」という意味合いで、移籍先クラブに支払いを義務付けているんですね。

この選手の今があるのは、今まで育成してくれたクラブがあるおかげだよっていうことを、ちゃんとお金で補償している素晴らしい制度なんです!

なので、移籍金が仮に発生しなくても、0円移籍でも育ててくれたクラブは、お金をもらえます!

0円移籍でも約4000万円の補償金を手にしたセレッソ大阪

香川真司が、セレッソ大阪からドルトムントに移籍する時に、0円移籍、つまりフリートランスファーで移籍したと書きましたね。

でも、このトレーニングコンペンセーション制度があったおかげで、移籍金は0円でしたけど、セレッソ大阪は、約4000万円の育成補償金を受け取ることができたんです。

これは、FIFAが定めた国際的なルールですが、実はJリーグとJFA(日本サッカー協会)とで同時に定めた国内専用のトレーニングコンペンセーション制度というものがあります。

それはそれで、色々と問題があるんですが、今回はこちらの記事では触れず、また別の記事に書きたいと思います。

もちろん、お金のために育成をするクラブはないと思いますが、国際的なレベルで戦う選手を育てて送り出したクラブに対して、育成補償金という制度があるのと、ないのでは大きな違いがありますよね。

また、そのお金をさらなる選手の育成に充てていくことで、もっといい選手を育てる環境ができていくという育成の好循環が生まれていきますね。

まとめ

へいちゃん
へいちゃん
今回は、「Jリーグと移籍金」というテーマで書いてみましたが、いかがだったでしょうか。

選手は欧州への憧れがあり、日本サッカー界としてはレベルアップするためには、選手の海外移籍というものは必ず必要になってきます。

一方で、プロのサッカーといえど、ビジネスですから、ビジネスとして成り立たないと、持続できません。

選手の希望も叶えてやりたいし、でも、クラブの経営もちゃんとやっていかないといけない。

これからさらにJリーグでは、より戦略的にクラブを経営していく必要が出てくる中で、「育てて売りきる」クラブとそうではないクラブの格差が大きくなってくると思います。

逆に言うと、選手を上手に売ることが出来ないクラブは、これから経営が難しくなってくるでしょうし、売れる選手をいかに発掘・育成いくのか、長期的なビジョンが求められるようになっていくはずです。

ABOUT ME
kohei55
「サッカーだけじゃない!」ブログ管理者。サッカー、習慣化、長期投資、コミュニケーションなどのテーマで幅広く書いています。