Jリーグ百年構想って聞いたことありますか?
普段からJリーグを見ている人は知っていると思いますが、そうではない人にとっては「なんじゃそりゃ~?」という感じの言葉ではないかと思います。
何でもですよ、理想って大事ですよね~?
やっぱり目指すところや高みがあるからこそ、頑張れる!ってあると思うんですね~。
今日は、そんなJリーグが目指す理想の姿について、書いてみたいと思います!
Jリーグ百年構想
Jリーグ百年構想とは、Jリーグの目指す理想の姿
わたしは、この百年構想ってJリーグが目指す「理想の姿」、あるいは、「高み」だと考えてます!
元々のJリーグは、ドイツを手本として産まれました。
Jリーグの公式サイトには、以下のようなことが書かれています。
Jリーグは1993年の発足以来、サッカーを通してあらゆるスポーツを老若男女が楽しめる豊かな国をめざしたいという思いから、「Jリーグ百年構想 〜スポーツでもっと幸せな国へ〜」というスローガンを掲げてスポーツ振興に取り組んできています。
Jリーグは今年、この「Jリーグ百年構想」をより多くの方々に、より身近にわかりやすく伝えていくために、人々のスポーツへのさまざまな関わりを表現した「DO! ALL SPORTS」というキャッチフレーズを掲げました。
あらゆるスポーツを行う(Play Sports)だけでなく、スポーツを観る、語る、応援するといった、生活の場に根付いたスポーツとのかかわりを推進することで、豊かなスポーツ文化の醸成を目指していきます。
Jリーグが生まれて四半世紀が経ちました。当時15歳の少年は、もう40歳前後になっていることを考えると、相当の月日の流れを感じます。
93年にはわずか10クラブしかなかったのが、今では54クラブ、ほとんどの県に1つのクラブが誕生しています。
当たり前に週末はJリーグをスタジアムで「観戦」して、試合が自分の街で開催されない週末は、スカパーで「応援」したり、あるいは、アウェイまで応援に行く人がいます。
スタジアムに通っていると、いろいろな顔見知りや「仲間」が出来ます。
おらが街のクラブのことのいいことも悪いことも「しゃべり」ますよね。「会話」が生まれます。
応援したり、観戦したりするだけじゃないです。
サッカークラブやフットサルクラブに所属して練習や試合をしたり、それぞれのレベルに合った場所でスポーツを楽しんでいます。
こういう人が周りにたくさんいるんですねー。
スポーツを観たり、応援したり、やったり、しゃべったり、仲間ができたり、飲んだり、騒いだり(笑)・・・
なんか日常の中に、スポーツが溶け込んでいる感じがしませんか??
スポーツとは無縁の生活を行われている方も多いかもしれません。
でも、もっとスポーツと色々な関わり方や接点を持つことで、幸せな国になってほしい。
そんなJリーグの願いがこの百年構想には、込められているということなのだと思います。
【1857に生まれた世界で一番古いサッカークラブ、シェフィールドFCの女子チーム】
欧州では、プロのフットボールクラブに限らず、アマチュアであっても100年の歴史をもつクラブがあります。
日本はプロリーグが出来て24年なので、歴史的にはまだ短いかもしれません。
しかし、Jリーグができる前には、見ることの出来なかったサッカーを中心とした光景が、すでに日常的に観られるようになってきているのは、百年構想が少しずつ1つの形に近づいている証拠かもしれませんね。
Jリーグ百年構想の具体的な3つのイメージ
Jリーグが掲げているこの百年構想は、まだまだ具体的な姿がわかりづらいという声があるかもしれません。
そこで、Jリーグが百年構想を通じて、「こうなればいいな」という3つの姿を示してくれてます。
紹介したいと思います。
あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること
サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること
「観る」「する」「参加する」。スポーツを通じて世代を超えた触れ合いの和を広げること
これが実現したらいいなぁ~
Jリーグは、小学校の土のグランドを芝生化したり、芝生で遊べる場所を増やしたり、その推進活動を進めています。
また、総合型地域スポーツクラブといって、サッカーだけではなく、色々なスポーツを行える環境を提供するスポーツクラブを自分たちの町に作ることも推進してるんですね。
スポーツクラブっていうと、どちらかというと、街のスポーツジムみたいなものをイメージするかもしれませんね。
日本は学校や企業でするのがスポーツってイメージがありますが、ドイツを中心とした欧州では、スポーツは街のクラブを通じて行うものが主流なんです。
サッカーだけではなくて、いろんなスポーツを楽しめる環境をスポーツクラブが提供できれば、「観る」「する」「参加する」という色々な立場でスポーツに関わることができて、子どもからお年寄りまで、世代を超えて交流の輪が広がるよね、という考え方があるんです。
だから、Jリーグのクラブ自体もサッカー以外のスポーツを積極的に取り入れてますし、そういう色んな種類のスポーツを楽しめる総合型地域スポーツクラブがたくさん生まれるように、とJリーグと国で支援しています。
百年構想を体現している「湘南ベルマーレ」というクラブ
現在、J1の湘南ベルマーレですが、このようなミッションとビジョンを掲げているクラブです。
●ミッション
夢づくり 人づくり
世代と地域をつなぐ総合型地域スポーツクラブとして、チャレンジする人の成長を支え、夢と感動を提供する。
●ビジョン
人生と地域を豊かにする、スポーツ文化が根ざしている世の中。
このミッションとビジョンを元に、サッカー以外のスポーツにも積極的に取り組んでいるJリーグクラブの1つなんですね。
湘南ベルマーレの前身は、フジタサッカークラブ。1999年に親会社の撤退とともに、チームはJ2へ降格してしまいました。
しかし、これが転機となり、湘南ベルマーレは、総合型地域スポーツクラブへの道を歩み始めます。
2002年に、NPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブを設立して、湘南ベルマーレのトップチーム以外の下部組織や他のスポーツの運営や管理は、すべてこのNPO法人で行っています。
この湘南ベルマーレですが、とても幅広いスポーツの関わり方を提供しています。
湘南ベルマーレスポーツクラブが展開するスポーツ
簡単に展開しているスポーツにどういうものがあるのか、紹介したいと思います。
サッカー
ジュニアユースからユースまでを運営していて、湘南ベルマーレユースからトップチームへ昇格を果たした選手が多くいます。最近では、ユース出身の遠藤航が、トップチームを経て、浦和レッズに移籍。出場機会はなかったものの18年ロシアワールドカップのメンバーにも選出され、その後、ベルギーに移籍しました。
また、強化特待クラスというものがあって、入会金・教材費・月謝をベルマーレフットボールアカデミーが負担し、将来のトップチーム昇格を目指しトレーニングするというトップ育成に特化したものもあるようです。
フットサル
フットサルにも、Jリーグのような全国のトップリーグがあります。Fリーグというもので、北は北海道から、南は大分まで全部で12チームあります。その中で、湘南ベルマーレも参加しています。
また、育成にも力を入れており、P.S.T.C. LONDRINというクラブが、関東リーグの2部に所属しています。このチームから優秀な若手は、さらなるレベルアップを図るため、湘南ベルマーレに「昇格」するようになっています。このP.S.T.C. LONDRINには、関東2部に属するトップチームの他、女子やU-18、U-15、U-12、スクールと各年代のカテゴリーに
ラグビー
2014年に誕生したばかりの7人制ラグビーチームです。
Jリーグでは初となる、男女のセブンズチーム「湘南ベルマーレラグビーセブンズ」、通称「Bell7」。
国内のセブンスの大会に出場したり、子どもと一緒にラグビーを通じた交流などを行っているようですね。
ビーチサッカー
2016年に活動を開始したばかりのビーチサッカーなので、まだ活動しているチームなどはないようですが、子どもたちへのスクールなどは開講しているようですね。
ビーチバレー
今回のリオ五輪は出場できなかったようですが、ロンドン五輪のときは、朝日・白鳥ペアで出場していたり、ジュニアユースの育成などにも力を入れているようですね。
トライアスロン
トライアスロンって、水泳・自転車・ランニングの3種目を1度にやるって過酷なスポーツなんですけど、湘南ベルマーレは、より高い競技レベルを目指す「チーム」と、スポーツを楽しむ「クラブ」という2つのカテゴリーに分け、運営をしているようです。
ですので、トップアスリートだけではなくて、「キッズトライアスロン教室」など子どもたちにもスポーツの楽しさとして伝える機会を提供しているようですね。
サイクルロード
サイクルロードというのは、簡単にいうと、競技用の自転車のレースですね。
有名なのが、フランスの「ツール・ド・フランス」という大会かもしれませんね。
ここの監督の宮澤さんという方は、北京五輪にも出場された方のようで、東京五輪に向けて選手の育成にも力をいれているようですね。
また、ユースやジュニアユースのカテゴリもあって、幅広い年代でサイクルロードを楽しめるほか、一般の人も楽しめるような環境や機会も提供しているようです。
フィットネス&コンディショニング
あんまり聞き慣れないですね・・・(笑)
アスリートって、やっぱりいい成績や結果が出るように、心や体のコンディションを調整すると思うんです。
ただ、それはアスリートに限らず、一般の人もやりたいことをやるときに、いいコンディションで望めたほうがいいですよね~
だから、普段からコンディションを維持しませんか~? というものだと思います。
湘南ベルマーレスポーツコンディショニングセンターという名前の整骨院があるんです。で、その横には湘南ベルマーレフットサルコートがある。
フットサルした後に、体のケアもできるとか、最高ですね!
しかも、Jリーグクラブの名前がついている整骨院とフットサル場ですよ。
kidsbaseZERO
これも聞き慣れないです(笑)
Kidsbase ZEROは、子供たちに、スポーツや座学を通して、多くの体験と、多くの達成感、多くの人との関わりを提供し、子供たちが、「身体」「心と友情」「生きる力」を創る場所なのです。
親子サッカー、チアリーディング、幼児運動教室、ダブルダッチ(二本の縄跳び)など、さまざまな体を動かす楽しさを提供することで、心身ともに健全な子どもの成長を促す、という活動です。
いや~本当に幅広いです!
どうでしょうか?
サッカー以外のスポーツを湘南ベルマーレというクラブが、本気で取り組んでいるということが、少しでも伝われば嬉しいです!
湘南ベルマーレの取り組みは、あまり知られることはないですが、まさにJリーグが目指している「百年構想」に一番近い総合型地域スポーツクラブのあり方ではないでしょうか。
サッカー以外のスポーツ行うJリーグクラブ
湘南ベルマーレの「サッカー以外」の取り組みを紹介しましたが、他のJリーグクラブもサッカー以外のスポーツに取り組んでいるところがあります。
いくつか簡単に紹介したいと思いますね。
FC東京
〇バレーボールチーム
トップリーグであるVリーグは、1部(V・プレミアリーグ)に所属しています。
東京ヴェルディ
〇バレーボールチーム
FC東京のバレーボールチームの1つ下のカテゴリ、2部(V・チャレンジ)に所属していますね。
〇トライアスロン
湘南ベルマーレのトライアスロンと同じように、トップアスリートとしてのトライアスロンと、一生涯のスポーツとしてトライアスロンを楽しめるように、2つに分けているようですね。
ジュビロ磐田
〇ラグビーチーム
元々ジュビロ磐田の前身は、ヤマハ発動機ですので、そのままラグビーチームということで、現在もジュビロという名前がついて、「ヤマハ発動機ジュビロ」として活動していますね。
あの五郎丸選手が以前所属していたチームになります。
アルビレックス新潟
〇バスケットボール
新潟アルビレックスBBというバスケットチームがあります。2016年からバスケットに新たなBリーグというトップリーグが誕生するんですが、アルビレックスも参戦します!
また、女子も新潟アルビレックスBBラビッツというチームがあります。
〇野球チーム
新潟アルビレックスベースボールクラブ。独立リーグに所属しています。
〇チアリーダー
2001年から活動をしているおり、トップチームのほか、スクールの事業なども展開している。
〇アルペンスキー
2014年の冬季ソチ五輪に出場した藤森選手も所属している。
〇ランニングクラブ
企業スポーツが主流の陸上競技において、新潟アルビレックスRC(ランニングクラブ)の存在は、とてもめずらしいのではないかと思います。
久保倉選手は、このリオ五輪の400メートル障害に出場。
〇レーシング
F3、スーパーFJ、86/BRZなどの自動車レースに参戦している。
競技の枠を超えたチャレンジ
湘南や新潟とは、異なる試みにチャレンジしているケースもあります。
プライドリームス埼玉
プライドリームス埼玉PRIDE(誇り)、DREAM(夢)、SPORTS(スポーツ)を合わせた造語。
「スポーツで埼玉をもっと元気に!!」をキャッチフレーズに、埼玉県を代表するスポーツチームによって2010年3月に設立されました。 ひとりでも多くの人に、スポーツの素晴らしさを体感して欲しい。 そして、スポーツに親しめる環境を広げていきたい。そんな想いで活動をしています。
プライドリームス埼玉には・・・
サッカーから浦和レッズ、大宮アルディージャ、ちふれASエルフェン埼玉
野球から西武ライオンズ
ソフトボールから戸田中央総合病院
バスケットから埼玉ブロンコス
ハンドボールから大崎電気ハンドボール部
バレーボールから上尾メデックス
これだけ色々な種目のスポーツが協力して、スポーツイベントやトークイベントなどを開催しているようですね。
子どもスポーツフェスタ
プライドリームス埼玉に似たような活動として、福岡でも「こどもスポーツフェスタ」という名称で、各種目のプロスポーツ球団が合同で、イベントなどを開催していますよね。
こちらは、アビスパ福岡のホームタウン推進部ブログからです。
まとめ
今回は、Jリーグ百年構想について書いてみましたが、いかがでしたか?
Jリーグの掲げる「百年構想」は、サッカーという枠を超えて、日本のスポーツ界全体が目指すべきものに変わろうとしている印象を強くします。
実際に、スポーツの種類の枠を超えて、お互いに協力し合い、スポーツにできることを形にしています。
これまで、日本におけるスポーツは、「学校」と「企業」の中にだけあったものが、地域という新しい受け皿を基盤として、これまでにはない広がりを見せつつあります。
そういう意味では、Jリーグの誕生というのは、日本のスポーツのあり方を大きく変えるものだった、と言っても過言ではない気がします。
まだ、Jリーグが生まれて四半世紀。
これからJリーグやサッカーを中心に、スポーツの新しい時代に向けたあり方が、さらに具現化されていくのではないかと期待に胸が膨らみますね。