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【2022年】カタールW杯の旅【決勝トーナメント編】

こんにちは。
kohei(@heisan113)です!

日本がEグループ(ドイツ、スペイン、コスタリカ、日本)で2勝1敗で1位抜けを決めました!その模様は↓↓の記事にて。
【2022年】カタールW杯の旅【グループリーグ編】

よって、決勝トーナメント1回戦(ベスト16)に進出することになった。
元々の予定は、スペイン戦の後、12/3にバンコクに戻る予定だった。しかし、私の予想を覆しベスト16に進出した日本。

4年前の記憶が蘇ってきた。

ラウンド16現地観戦を諦めた4年前

思い起こされるのは、4年前の2018年ロシア大会。

グループ予選の初戦でコロンビアに勝ち、セネガルと引き分けた後、ポーランドに負けはしたものの、決勝トーナメント進出を決めた。

4年前も予選2試合を観戦予定のスケジュールで組んでいた。見事ベスト16に進出し、ベルギーとのラウンド16へ駒を進めた。4年に1度しかないワールドカップの、しかもそのラウンド16。予定を延長し、なんとかして延長して観戦できないか模索した。

FIFAの公式サイトでチケットの入手もできそうな感じでもあったことが、余計に滞在延長に拍車をかける。全ては、仕事のスケジュールを調整できるかどうか、だけだった。

上司になんて言えばいいだろうか。
職場の同僚にはどう言えば許してもらえるだろうか。

当時はまだ出社の必要な会社に通っていた。つまり、時間も含めて物理的な制約があったことが何より一番大きかった。

色々なことを考えて、ベルギーとの試合を応援するためにロシアに残る、という選択を取ることはかなり現実的ではなかった。そんなわけで泣く泣く帰国の途についた。

結果はご存知の通り、ロストフの悲劇はテレビ越しに観たわけである。

翻って2022年カタールワールドカップ。
状況は全く同じである。

  • 予選の2・3戦目を観戦し終えたら帰国する予定
  • 日本がラウンド16に進出した

さあ、どうする。
2018年は諦めた。2022年はどうする?

結論から言うと、スペイン戦の結果次第でラウンド16に進出が決まれば、カタールに滞在延長することを決めていた。
スペイン戦の翌日、12/2にはカタール→バンコクの復路のチケットをキャンセルした。

実は、4年前と大きく異なるのが、「働き方」の部分だった。
今の職場は2020年から勤めているスタートアップなのだが、働き方が「フルリモート」で「フルフレックス」だ。

よって、働く場所も、働く時間も、全て自分で自由に決めることができる。
4年前は「出社」や「勤務時間」がある働き方だったが、今はその2つの制約がない。

4年前と大きく違ったのは、この制約の有無だった。
もうこの働き方になって3年近くなり、自分の中では当たり前になっているが、実はこの制約の有無は働き方だけではなく、生き方という点においてもとても大きいことを今回のワールドカップを通じて強く感じた。

そんなわけで、今回はラウンド16進出に応じて、予定にはなかった滞在延長をするという選択を取ることができたことは、4年前と比べて大きく進歩した点だった。何より2002年の日韓大会以来のベスト16を現地で応援できることが幸せなことだ。

ベスト8への道は険しかった

試合終了後、一礼する日本代表

試合はご存知の通り、1-1のドローの末、PK戦で敗戦。
ドイツ戦やスペイン戦ほど決定的なチャンスを作らせなかったけど、わずかな隙を突かれて、ペリシッチに豪快なヘディングシュートを決められた。

アジアが相手であれば、おそらく生まれなかったゴールだと思う。本当にこのレベルになると、一瞬の機会をゴールに繋げてしまう。というのもそうだけど、ちゃんと試合を振り返ってないのでわからないけど、後半の立ち上がりの試合運びに課題を抱えていた気もする。

前回のベルギー戦も同じだったけど、格上の相手に対してリードをした場合の試合運びは簡単ではない。
2点目を狙って簡単に取ることもできないし、ずっと守り切るのも現実的ではない。

理想は、リードを保ちながら、相手を見てゲームを進めつつ、追加点を狙える時は狙い、リードを広げる。これは普通、「強者」が行える試合運びであって、経験や総合力で力の落ちる日本がクロアチアを相手に遂行することは先制点を挙げるよりもはるかに難易度が高いと思う。

クロアチアはしたたかで、タフで、日本が掴みかけたベスト8への切符を簡単に渡してくれなかった。日本はあと一歩のところで史上初のベスト8へ進出を逃したように思えるが、実はその距離感は人によって感じ方が違うように思える。

メキシコは86年の自国開催でベスト8へ進出して以降、94年大会から7大会連続でベスト16止まり。ついにこの2022年大会では予選敗退した。

日本は初出場のフランス大会(98年)から数えて今大会も含めると、7大会のうち4回はベスト16まで進出している。これは実はとてもすごいことだと思う。もちろん、アジアでベスト16の進出回数は最も多い。

負けはしたが、日本は進歩していることを多くの人が認識した大会だったと思う。

PKで負けた後、しばらくスタジアムから動けず、なんとも言えない気分で落ち込んだ。

日本を現地で応援することの歓び

公式記録は引き分け。だが、ベスト8に進出できなかった

ある程度、リスクを負って得点をとりにいくシチュエーションでは、今大会で日本は個人でも戦えることを示してくれた。
これは前回までのロシア大会では目にすることが出来なかったことだった。

今回の日本代表は、堅守でカウンター主体のチームだったと言われている。
守りから最小失点に抑えて、後半で勝負をかける。この戦い方で、優勝経験国でもあるドイツとスペインを破り、大きなインパクトを残してくれた。

一方、コスタリカとクロアチアを相手にした時、日本は苦戦を強いられた。
この4試合を通じて、日本のポテンシャルを示すことが出来たが、まだまだ課題が大きいことを感じさせた。

コスタリカ、スペイン、クロアチアと3試合を今回は現地で応援することが出来た。
前回のラウンド16を現地で見ることが出来なかったが、今回はクロアチア戦を現地観戦する機会に恵まれた。

もちろん勝利を見たかったし、次のベスト8までは見れるようなスケジュールを組み直ししていた。
残念ながらその思いは叶わなかった。

日本代意の雄姿を最後まで見届けたことで、前回のロシア大会では味わうことのなかった大きな「喪失感」のようなものを強く
感じた。

もうこの日本代表をカタールで応援することはできないだという現実を突きつけられ、落胆と悲しみと切なさと、色々な感情が
日増しに大きくなった。

一緒にカタールで戦った仲間も日に日に帰路に立つ日が近づき、その思いもより強くなっていった。

「ああ、本当に終わっちゃうんだな・・・」

今まで感じたことのないような寂寞感だった。ワールドカップの切なさと儚さと、夢のような時間は瞬く間に過ぎ去っていった。

応援する一人のサポーターとしてもそういう思いを感じるわけで、日本代表の選手が人生をかけてこの舞台を目指す価値は、果たしてどれだけのものなんだろうかと想像を絶する。

ワールドカップの喜びや楽しみ方はきっと人それぞれあるだろうと思う。現地には80歳になっても応援にこられていた方もいた。ワールドカップは、選手のためにだけあるものではなく、様々な立場で関わることができる素晴らしいイベントだと思う。

今回、滞在延長をしたこともあるが、予想以上にお金はかかってしまったけど、心からカタールにきてよかった。

2026年に向けて

今年のワールドカップは開催時期がズレたこともあり、次の2026年ワールドカップまでは3年半と若干いつもよりも短い。
そして、すでに開催地も決まっている。

カナダ、アメリカ、メキシコの3カ国共催だ。

もちろん、次も行くことに決めている。
おそらく試合を見るだけなら、日本でテレビやスマホで観戦することが一番快適で楽だろうと思う。

だが、私にとっては、私はワールドカップの価値は、現地に入ってこそより深く、幅広く愉しむことができると感じている。

また今回は自分の中でのサッカー熱みたいなものが、またふつふつと湧き上がってきているのを感じている。
今回ベスト8に進出できなかったことで、フットボールがもっと日本で文化になっていく必要性を感じるし、サッカーの裾野を広げていくことがとてもとても大切だと感じている。

改めて次のワールドカップに向けて、3年半後に、フットボールとの向き合い方はもちろんのこと、自分の生き方や働き方などもどうなっていたいのかも含めて、選手に負けずしっかりと考えて成長をしていきたいと考えている。

ドーハの空港で見た「ベスト8」

本当はブラジルとのベスト8での戦いをスタジアムで観戦する予定だったが、あえなく空港で観戦することになった。
クロアチアはブラジルを相手にも一歩も引かなかった。延長戦でネイマールに決められたが、落ち込むことなく起死回生の同点ゴールで追いつき、なんとPK戦で2大会連続で、ベスト4進出を決めた。

日本がクロアチアに勝ちきれなかった理由の一端を垣間見たような気がした。

30年前、ワールドカップに出場することが夢だった日本は、今では当たり前にワールドカップに出場できる国になり、2大会連続でベスト16に進出したアジアを代表する国に成長した。

そして、今はベスト8へ進出を夢見ている。

いつか死ぬまでに日本がワールドカップで優勝する日を本気で観たいと願った、カタールでの2週間だった。